2023.12.01

【続報】マンションの評価方法の改正について

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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はじめに

以前のコラムでもお伝えしました、相続税におけるマンションの評価方法の改正について、令和5年10月13日に、国税庁より詳細が発表されました。

今回のコラムでは、

  • 令和6年以降のマンションの評価方法の詳細
  • 具体的な計算方法(シミュレーション)
  • 誤りやすい事例

について、ご説明いたします。

▼以前のコラム『「タワマン節税」「マンション節税」の改正について』
https://www.earlycross.co.jp/souzoku/tawamansetuzeimanshonsetuzeinokaisei/

令和6年以降のマンションの評価方法の詳細

それでは早速、令和5年10月13日に、国税庁より発表されました、令和6年以降のマンションの評価方法の計算式について見ていきましょう。(この計算に必要な情報は、すべて登記簿謄本で確認することができます。)

まず、評価乖離率の計算を行います。

【評価乖離率の求め方】
評価乖離率=A+B+C+D+3.220
上記算式中の「A」、「B」、「C」、「D」は、以下の通りです。
「A」=建物の築年数(1年未満の端数は1年とする)×△0.033
「B」=建物の総階数指数(建物の総階数÷33。地階は含まない)×0.239(小数点以下第4位を切り捨てる)
「C」=所在階×0.018
「D」=敷地持分狭小度(敷地利用権の面積÷専有面積)×△1.195(小数点以下第4位を切り上げる)

次に、評価水準を求めます。

【評価水準の求め方】
評価水準=1÷評価乖離率

その次に、適用する区分所有補正率を求めます。
(※適用する区分所有補正率は、上記で求めた評価水準の値によって、3つにわかれます。)

【区分所有補正率の求め方】
①評価水準が0.6未満の場合 ⇒ 区分所有補正率=評価乖離率×0.6
②評価水準が0.6以上1以下の場合 ⇒ 区分所有補正率の適用なし(※現行の評価方法のまま)
③評価水準が1を超える場合 ⇒ 区分所有補正率=評価乖離率

最後に、①③の区分所有補正率をそれぞれの相続税評価額に乗じます
(※②の場合は適用なしなので、現行の評価方法のままです。)

【令和6年以降のマンション一室の相続税評価額の求め方】
マンション一室の相続税評価額=現行の相続税評価額×区分所有補正率

ここまできて、ようやく相続税評価額を求めることができましたが、なかなか大変な作業でした。

※なお、マンションの土地(宅地)と建物(家屋)、両方とも区分所有補正率の計算が必要になります。

令和6年以降の新しい評価方法について、さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
▼国税庁HP『「居住用の区分所有財産の評価について」(法令解釈通達)の趣旨について(情報)』
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hyoka/231013/01.htm

具体的な計算方法(シミュレーション)

では実際に、一般的な居住用マンションの一室の例を用いて、計算(シミュレーション)を行ってみましょう。

【マンションの例】

  • 築10年
  • 5階建ての3階部分
  • 専有面積70㎡
  • 敷地利用権の面積35㎡

【シミュレーション】
評価乖離率=10×△0.033+5÷33×0.239+3×0.018+35÷70×△1.195+3.220=2.382
評価水準=1÷2.382(評価乖離率)=0.4198…<0.6
評価水準が0.6未満なので、区分所有補正率=2.382×0.6=1.4292
令和6年以降のマンション一室の相続税評価額=現行の相続税評価額×1.4292(区分所有補正率)

例えば、現行の相続税評価額が、土地部分1,000万+建物部分400万=合計1,400万だったとすると…

1,400万円の1.4292倍ですから、約2,000万円ということになります。

今回は、5階建ての3階部分のマンションを想定してシミュレーションを行ってみましたが、かなり評価額が高くなってしまいました。

タワマンではない、ごく普通のマンションでも、評価額が上がってしまうことがおわかりいただけたかと思います。

誤りやすい事例

令和6年以降の新しい評価方法に関する、誤りやすい事例や気になる点について、解説いたします。

・事業用のテナントや一棟所有の賃貸マンションは、新しい評価方法の対象になるのでしょうか?
⇒いいえ。事業用のテナントや一棟所有の賃貸マンションは対象外です。
 今回の改正では、一室ごとに区分登記してあり、登記簿上の種類に「居宅」を含むものが対象となります。

・マンションの一室を事務所として使用している場合は、新しい評価方法の対象になるのでしょうか?
⇒はい。構造上、主として居住の用途に供することができるものは、課税時期に事務所として使用していたとしても、対象となります。

・専有部分が複数階にまたがる「メゾネット」タイプの場合は、所在階を何階として計算すれば良いでしょうか?
⇒メゾネットタイプの場合は、階数が低い方の階を所在階として計算します。

・では、専有部分が地下の場合は、所在階を何階として計算すれば良いでしょうか?
⇒地下の場合は、零(ゼロ)階として計算します。
 この場合、「評価乖離率の求め方」の算式の「C」はゼロになりますので、ご注意ください。

・「評価乖離率の求め方」の算式の「D」で使用される「専有面積」とは、登記簿上の面積でしょうか?固定資産税の評価明細書に記載の面積でしょうか?
⇒登記簿上の面積です。

・小規模宅地の特例や貸家などの評価減は、新しい評価方法でも適用できるのでしょうか?
⇒はい。新しい評価方法で計算した後に、適用することができます。

おわりに

いかがでしたか?この記事では

  • 令和6年以降のマンションの評価方法の詳細
  • 具体的な計算方法(シミュレーション)
  • 誤りやすい事例

についてご説明いたしました。

もしマンションの贈与を考えていらっしゃる場合、本年中に贈与した方がお得になるケースも多いかと思います。

改正前と改正後、どちらがお得になるのか迷われた場合は、お気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)までご相談下さい。

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