2022.05.30

都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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都市計画道路予定地とは

まず都市計画道路とは、都市交通の円滑化を図るとともに、都市の骨格形成や貴重な都市空間を創出するための施設であり、都市計画法に基づき計画決定された道路のことです。

都市計画道路は全く道路のないところに新たに造られる場合と、既存の道路を拡幅する場合があります。

都市計画道路予定地は将来道路用地として買収されることが都市計画法によって決まられた土地なので、都市計画道路予定地の区域内にある宅地については、将来道路を築造する際に障害となるような建物は建築が制限されています。

都市計画道路予定地の確認方法

例えば福岡市でしたら下記サイトで確認できます。

▼福岡市Webまっぷ⇒「都市計画情報及び指定道路」をクリック

https://webmap.city.fukuoka.lg.jp/fukuoka/G0303A

このようなサイトがない場合には役所に問い合わせして確認します。

都市計画道路予定地の建築制限

将来の事業の円滑な施行を確保するために、都市計画決定された区域内における建築は都市計画法第53条により規制されており、その区域内に建築することができるのは、土地の形状等からやむを得ず、かつ下記の要件をすべて満たす建築物である場合に限られます。

都市計画法第54条(許可の基準)

・階数が2階以下で地階を有しない。

・主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造。

・容易に移転、もしくは除却することができるもの。

このいわゆる「53条許可」は都道府県知事の許可を要します。

評価方法

財産評価基本通達24-7

都市計画道路予定地の区域内(都市計画法第4条第6項に規定する都市計画施設のうちの道路の予定地の区域内をいう。)となる部分を有する宅地の価額は、その宅地のうちの都市計画道路予定地の区域内となる部分が都市計画道路予定地の区域内となる部分でないものとした場合の価額に、次表の地区区分容積率地積割合の別に応じて定める補正率を乗じて計算した価額によって評価する。

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/04.htm#a-24_7

留意点1 都市計画の進捗状況

都市計画の進捗状況を市町村役場等で確認する必要があります。

・都市計画の計画

・都市計画事業の認可決定

・都市計画事業の施行

実際に認可決定がされた場合には、いずれ用地買収が見込まれることや買取請求が可能となることから、鑑定評価では特に減額無しと取り扱われることもありますが、用地買収されるまでには相当な期間を要し、この間土地の利用制限が厳しくなります。

そのため、事業認可等がなされた後に課税時期が到来した場合は、課税時期においていずれ買い取られることが確実であり、かつ、予定対価の額が明らかであるなどの特段の事情がある場合を除き予定地の取り扱いを適用して差し支えないとされています。

留意点2 評価対象地が倍率地域に存する場合

評価対象宅地が倍率地域にある時は、「普通住宅地区」内にあるものとした場合の容積率及び地積割合の別に定めた補正率を適用して差し支えありません。

ただし、都市計画道路予定地であることが考慮されて固定資産税評価額や評価倍率が定められている場合には適用できません。

おわりに

この記事では、都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価についてご説明いたしました。

都市計画道路予定地の評価減をせずに高い評価で相続税申告を提出してしまうことがないよう、土地の評価について不安な方は相続専門の税理士に相談することをお勧めいたします。

初回無料相談を1時間行っております、お気軽にお問い合わせください。

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