2020.11.13 / 税理士 小山 寛史

【税務調査対策】資金移動調査とは?

はじめに

専門家と一緒に相続の対策、特に生前贈与を行っている方、税務調査が入ったときの名義財産調査まで検討できていますか?

この記事で紹介する、銀行預金口座や証券口座の資金移動調査について理解すれば、先手を打って不安を解消できます。

なぜなら、税務調査の多くは税務署が行う資金移動調査をもとに、調査が行われるからです。

この記事では、税務署が行う資金移動調査について、どのような視点で、どういう事を調査し、どのように税金の漏れを探しているのかをご紹介します。

この記事を読み終えると、皆様がしてきた生前贈与やその他の対策が無駄にならず、将来相続人が悩むことなく、適正な相続税申告を行うことができるようになります。

その結果、納税資金が不足しているといった問題も生じることがなくなります。

資金移動調査とは?

資金移動調査とは、銀行や証券会社等、お金の出し入れがある口座の過去10年間の動きを調査するものです。

相続財産の規模に関係なく、すべての税務調査において行われます。

調査官は、調査の際に相続人の同意を必要とせず、強制的に銀行や証券会社へ情報開示をさせることができるため、通帳や取引書類を廃棄して隠そうとしてもいずればれてしまいます。

資金移動調査は何をするための調査?

資金移動調査とは、過去の入出金を洗い出し、資金の入と出から財産の計上漏れ推測することです。

いくつか例をあげてご説明します。

(1)相続開始前日に、100万円の引き出しがありました。

直前の引き出しですので、被相続人が全て費消したとは言い難いでしょう。

引き出したお金が自宅にあったり、相続人の口座に入っていたら、この100万円は相続財産として課税されることになります。

(2)相続開始の2年前に、300万円の出金がありました。他の銀行や証券口座を見ても300万円の入金は見当たりません。

300万円の使途について調査官から質問されることになります。入院・手術代等、それら1つずつと紐付けて調査官に回答することとなります。

ここで現金で相続人に贈与を行っていると相続開始前3年以内の贈与については相続財産に持戻されて課税をされることになります。

棚からぼたもち?!資金移動調査でもらえる財産が増えた!

いくつか例をあげてご説明します。

(1)12年前の古い通帳の摘要欄に「◯◯貴金属」と記載された数万円程度の入金があったとします。

調査官は質問します。

「ご自宅に金地金はありませんか?」

古い金地金は、現物で保管されていることが多いです。相続人が知らない金地金がご自宅のどこかに保管されているかもしれません。

(2)毎年1回、摘要欄に「◯◯カイシャ」と記載された数千円程度の入金があったとします。

調査官は質問します。

「未上場の会社の株式を持っていませんでしたか?」

これもよくあります。人にお金を貸すのが嫌いな人に多い傾向があります。

貸すのは嫌だけど、出資なら・・・と付き合いで数十万円ほど出資していることもあります。

その会社へ連絡をとり、株式を買い取ってもらいたいと伝えれば買い取ってくれるかもしれません。会社にとっても株式買取は嬉しい場合がありますので言ってみる価値はあります。

いずれの事例も思わぬ嬉しい発見です。

相続税は増えることになりますが、相続税は100%ではありません。
財産発見料として相続税を支払って、もらえる遺産が増えるという風にポジティブに考えれば棚からぼたもちと言えるでしょう。

調査の対策方法

一番は通帳に直接メモをして、しっかりと保存しておくことです。

何も、小さなものすべてに行う必要はありませんが、大きなもの、貸付、出資等、要所要所でメモをとっておけば問題ありません。

調査官が質問してくると想定されるポイントにしぼって、回答を検討しておくとスムーズに調査が進みます。

おわりに

本記事では、税務調査の対策についてご説明いたしました。

資金移動調査をしっかり行うことで税務調査時に指摘されてもしっかりと回答することで、追徴課税を免れる可能性が大きくなる事がご理解いただけたかと思います。

税務調査で指摘されて追加で納税が発生すると、罰則的な意味合いの税金や延滞税も支払うことになります。

したがって税務調査で指摘をうけないためにも相続税の申告時にしっかりと資金移動調査を行うようにして下さい。

福岡相続ステーションでは、初回無料相談も行っておりますので、相続について気になる事があればお気軽にご相談下さい。

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