2020.06.05

【初めてでも分かる】相続税申告書の書き方

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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はじめに

相続税申告書をどのように作ればよいか悩んでいませんか?

この記事でご紹介する相続税申告書の書き方と特に注意するポイントをご覧頂ければ解決することができます。

なぜなら、相続税申告書は「集計の仕方」と、「申告書に書くときの順序」を掴めば自然と作成できるようになっているからです。

この記事では、初心者向けの相続税申告書の書き方をご紹介します。

この記事を読み終えると、初心者でも相続税申告書の書き方が分かるようになります。また、税理士に作成を依頼している方も、説明を受ける際に相続税申告書の見方が分かるようになります。

相続税申告書は「まとめ」→「詳細」の順番で構成されている

まずはお手元に相続税申告書のフォーマットをご用意ください。

相続税に限らず、実はすべての税務申告書は「まとめ」→「詳細」という順番に構成されています。

第1表 :総まとめ(結論)

第2表~:数値は第1表(総まとめ)を作成するための元となります。

財産目録を表形式で作成しましょう

まずは「財産」「債務」「3年以内の被相続人からの贈与」のすべてを書き出しましょう(これを一般的には「財産目録」と呼びます)※相続時精算課税制度を適用していた場合のご説明は割愛させていただきます。詳しくは税理士等の専門家へご相談ください。

「財産目録」を表計算アプリで集計して一覧にすると効率的です。

財産目録はできる限り詳細に集計しましょう(第15表を参照するとどれくらい詳細に集計すべきか分かりやすいと思います)。

第15表

「生命保険金:第9表」、「財産:第11表」、「債務:第13表」、「3年以内贈与:第14表」はそれぞれ詳しい内容を記載し、集計した数値が第1表へ記入する元となる、といった具合です。

第9表
第11表
第13表
第14表

財産と債務のすべてを書き出したら、その右側に「誰が」取得・承継したかを書いておきましょう。

相続税申告書に記入(下準備)

最初に書き込むのは第2表の②、④、⑤です。

第2表

こちらは最低限必要な「法定相続人」に関する情報です。

法定相続人の氏名、続柄、法定相続分を記入します。

相続税申告書に記入(課税価格)

記載の順序は

債務→3年以内贈与→生命保険金→小規模宅地等※→その他の財産が鉄則です。

①債務:第13表

②3年以内贈与:第14表

③生命保険金:第9表

④小規模宅地等:第11・11の2表の付表等※

※本記事ではご説明を割愛いたします

⑤(上記③と④の転記と)その他財産:第11表

①から⑤の各表の記載が終わると、第1表の「各人の合計欄」の課税価格の記入が出来ます。

第1表 課税価格

相続税申告書に記入(税額計算)

記入していただいた申告書をよくみると、それぞれ合計を書く欄があるはずです。

合計を記載し、申告書に書いてある「◯◯欄に転記します」の説明とおりに転記していきます。

申告書の説明とおりに転記していくと、自然と第2表が完成し、相続税の総額が算出出来ます。その金額を第1表の⑦欄へ移記します。

第1表⑦欄

相続税申告書に記入(税額控除)

第1表にある、「税額控除」欄記載の税額控除がある場合は、該当する各表を作成し、相続税申告書に書いてある「◯◯欄に転記します」の説明とおりに転記していきます。

第1表 税額控除欄

相続税申告書の説明とおりに転記して行き、税額控除の合計を相続税申告書第1表の⑱欄へ記載します。

相続税申告書に記入(算出税額)

算出した相続税額(⑦)から税額控除(⑱)を控除すれば、差引税額が算出されます。

また、各相続人の税額につきましては、遺産分割協議により各人が取得する財産の割合により、相続税額(⑦)を按分すれば、計算できる仕組みとなります。

おわりに

本記事では相続税申告書の書き方の概要をご説明いたしました。

相続税は誰にアドバイスを受けるかによって、税金に差が開きやすい税だと言われています。

その理由は様々ありますが、ご自身で相続税申告書を作成するときは本ガイダンスに沿い、申告書の各表を正確に埋めて行くことにより、正確な相続税申告書を作成するよう心がけましょう。

適正な申告書を作成するということは、後日、税務調査で指摘され、多額の加算税を支払わなければならなくなるリスクを回避することに繋がります。

福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス)では相続に関する無料相談を行っておりますので、お気軽にご連絡ください。

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