2021.05.30

税理士 小山 寛史

名義預金の後出しは配偶者税額軽減の特例が使えない?!

この記事をシェアする

はじめに

相続財産の中に配偶者名義の預金口座、いわゆる「名義預金」がある場合は相続税申告の際に注意する点が多くあります。

配偶者の方がご自身で築きあげてきた財産であれば何の問題もありませんが、専業主婦であった場合などそもそもその配偶者名義の財産は配偶者の財産なのか、お亡くなりなった被相続人のものなのかの検討が必要となってきます。

この記事では名義預金の判定のポイントと名義預金と判定された場合の注意点をご紹介します。

名義預金とは?

名義預金とは、「被相続人以外の名義の預金で所有権が被相続人のもの」を言います。

しかしそもそもなぜ名義預金というものが存在するのでしょうか?

様々な理由は考えれますが大きく分けると下記の二通りのケースが多いかと思います。

  • ①相続対策の一環で親族名義の預金口座を作り毎年一定金額を入金していた。
  • ②配偶者の方が生活費の一部をへそくりとして蓄えていた

では、これらの内容のものがなぜ被相続人の財産として判定されるのでしょうか?

ポイントは「所有権が被相続人のもの」というところになってくるのですが、名義財産の判定基準は判例より下記の5つのポイントとされております。

  • ①原資
  • ②管理運用
  • ③果実の取得
  • ④被相続人と名義人及び管理運用者との関係
  • ⑤名義人となった経緯等

判断が難しいのがこのうちどれかを満たせば名義預金として判定されないということではなく、個別具体的に事情を考慮して総合的に判断されるということです。

名義預金のよくある勘違い

相続税の申告をする際によく勘違いされている事例が下記のような事例です。

  • ①自分名義だから自分の財産
  • ②自分名義であるから事前にちゃんと贈与してくれたと思っていた
  • ③夫婦の財産は二人で協力してできた財産だから配偶者名義の財産は配偶者のもの
  • ④自分で働いて貯めたものではないことはわかっていたが、いわゆる生活費の残りは配偶者のへそくり財産

名義預金の正しい理解

以上を踏まえて、名義預金を正しく理解するには下記のポイントを考慮する必要があります。

  • ①名義での判断でなく実態で判断
  • ②贈与したのであればその証拠(贈与契約書等)が大事
  • ③夫婦別産制だからお互いの財産はきちんと分けて管理することが必要
  • ④へそくりといえども毎年贈与契約書を交わすことが大事

名義財産への配偶者税額軽減の適用

配偶者の税額軽減とは、
①1億6000万円
②法定相続分の財産
いずれか大きい金額がまでは配偶者が相続しても税金がかからない制度を言います。

この配偶者の税額軽減をうまく活用することで大きな税額のメリットがあるのですが、この制度を使うには一定の制限があります。

一定の制限とは、「仮装・隠蔽した場合」はこの税額軽減が使えないというものです。

つまり、知っていたのに隠していたということです。

名義財産が仮装・隠蔽と認定されたケース

①配偶者が贈与という直接的な事実を立証できなかったこと
②配偶者自身が保険契約の指示や不動産購入の指示を行っていたこと

おわりに

名義預金の問題は、財産の計上漏れを指摘されるだけでなく配偶者の税額軽減という大きな節税効果のある制度も使えなくなる可能性があります。

この名義預金の判定を相続税の申告時に間違えると後々大きなトラブルとなるケースがありますので慎重に判断頂くことが必要となりますので相続専門の税理士に相談しましょう。

福岡相続ステーションでは初回無料相談を1時間行っております。お気軽にお問い合わせください。

この記事をシェアする

前の記事 相続相談コラム
のトップへ
次の記事
  • 平日夜間対応
  • 事前予約にて
    土日祝対応
  • テレビ会議対応

相続に関すること、お気軽に
ご相談ください。相談は無料です。