2020.11.06

【相続手続き】アメリカ預金の解約方法

税理士 小山寛史
税理士 小山寛史

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はじめに

被相続人の中には、外国に口座をお持ちの方もおられるかもしれません。

その口座をいざ解約したいとき、どうすればよいかお悩みの方はいませんか?また、専門家の方の中にも、いざ外国の口座解約の業務が発生したとき、どのようにすればよいか不安の方もおられるかもしれません。

この記事では、弊社が実際にご対応した流れをご紹介いたします。

あくまで一例ですが、ご参考になるかもしれません。

この記事では、弊社が実際に対応したアメリカ ロサンゼルスに所在するとある銀行預金の解約業務をご紹介いたします。

解約の手順とその都度必要になってくる書類や手続きも含めてご紹介いたします。皆様のご参考になれば幸いです。

現地銀行へ電話する

Is there anyone who can speak Japanese?

「誰か、日本語を話せる人はいますか?」

ひとまず日本語が話せる銀行の方につないでもらいました。とても丁寧にご対応いただきました。

相続人がわかる公的な資料(本件は被相続人の除籍、代表相続人の戸籍等)を求められ、お客様の同意のもと開示し、速やかに手続が始まりました。

書類のやりとりも、基本的にメールで行う流れにしておけば、国際電話料金もかかりませんし、何より現地と日本の時差で、時間を調整して連絡する必要もなくなります。

銀行から必要な書類をメールでお送りいただき、次の手続きへ移りました。

銀行から英語で書かれた書類が代表相続人宛てに到達するので、これを対応する

相続人が存在していることを確認してもらえたら、次は払い戻しの手続きですが、今回は預金額が一定の金額以下でしたので*プロベイトされることなく、引き出せそうとのことでした。

銀行から送られてきた書類は、全て英語で記載されていますが、読めないことはなく、署名や見本まで日本語でつけて頂けていただので、手続きはスムーズにいきそうでした。

*プロベイト…被相続人の財産は、相続人ではなく、遺産財団(Estate)に帰属し、裁判所から任命を受けた人格代表者が債権債務の精算や相続財産の分配等を行う一連の手続き

日本にあるお近くのアメリカ領事館に代表相続人が出向き、書類に署名

銀行が作成してくれた「相続に関する書類」に、アメリカ領事館にてNotarize(公証)の手続きを行い、先方に原本を郵送します。

(アメリカには印鑑という概念がないため、アメリカ領事館の公証人の目の前で、代表相続人が書類にサインするという手続きが必要となります。このとき、代表相続人はパスポートや運転免許証等の、指定された身分証明書の持参が必要となります。詳細は下記のアメリカ領事館のHPを御覧ください。)

https://jp.usembassy.gov/ja/u-s-citizen-services-ja/notarial-services-ja/

2020年2月頃手続きを実施していたため、新型コロナウイルスによる感染症の影響で、アメリカ領事館は緊急業務以外の対応をしていませんでした。

そのため、再開されるまで待機するか、別の方法(アポスティーユ)をとるしかありませんでした。

今回はお客様のご指示により、再開されるまで待つこととしました。

送金完了

無事送金が完了したとのことで、一安心しました。

現地の銀行員の方にもお礼の連絡を入れさせていただき、本件は完了しました。

今回は預金額が一定額以下であったことと、銀行担当者の方の親切な対応により(アメリカ領事館の休業を覗いては)、とてもスムーズな対応となりました。

おわりに

いかがでしたか?

今回の手続き事例では、コロナの流行と時期が重なり、アメリカ領事館が営業ストップするという事態が起き、待機時間がとても長かったですが、業務の対応自体はスムーズでした。

また、解約の手続きが遅れると、口座の預金が銀行から州に移され、銀行を介しては手続きができなくなる可能性があり、余計に手続きに時間を要するという事態も予想されますので、できるだけ早めに手続きを依頼することをおすすめします。

本件のように、手続きの方法に関しては、銀行の担当者が丁寧に指示してくれますので、基本的にはその通り行えば問題はないのでご安心ください。

海外口座の解約でもしお困りでしたら、お気軽に福岡相続テラス(税理士法人アーリークロス) までお問い合わせください。

相続に関する無料相談を行っておりますので、お気軽にご連絡ください。

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