2021.09.20

税理士 小山 寛史

相続で引き継いだ事業用財産の取り扱い

この記事をシェアする

はじめに

亡くなった人が個人事業を営んでいた場合、相続税申告では事業用資産についても注意しなければいけません。

事業用資産の相続税評価を行い、相続税申告書に財産として計上しなければいけません。

この記事では事業資産の相続税評価方法について説明します。

事業用資産の種類は次の大きく分けて4つになります。

  • 1 棚卸資産
  • 2 減価償却資産
  • 3 貸付金債権
  • 4 その他の事業用資産

それぞれの評価方法について説明いたします。

棚卸資産の相続税評価方法

棚卸資産とは、商品や製品、原材料などのことです。

いわゆる「在庫」です。

まず棚卸資産を二つの種類に分け、それぞれの単価を算出します。

  • 1 商品、製品
  • 亡くなった日の税込販売価格ー(利益+予定経費+消費税)
  • 2 原材料、半製品、仕掛品
  • 亡くなった日の税込仕入価格+引取運賃、その他の経費

算出した単価と棚卸表在庫数をかけて評価をします。

減価償却資産の相続税評価

事業などの業務のために用いられる建物、建物附属設備、機械装置、器具備品、車両運搬具などの資産は、一般的には時の経過等によってその価値が減っていきます。

このような資産を減価償却資産といいます。

減価償却資産は1個又は1組ごとに評価を行います。

「売買実例価額または専門家の意見を参考にした価格」が基本になりますが、
基本的な評価での価額判断が不明な場合は、「亡くなった日の新品小売価額から製造時から亡くなった日までの期間の償却費(定率法による)を差し引いた金額」により評価します。

なお、製造時から亡くなった日までの期間は、1年未満切り上げです。

所得税の申告で定額法を使用していた場合でも、相続税申告では定率法を使用します。

貸付金債権の相続税評価方法

売掛金や未収入金などの貸付金債権は、元本に亡くなった日までの利息のうち受取期限が到来していない分を足して評価します。

受取期限が到来しているのにまだ受け取っていない利息は、未収入金として相続財産に計上しなくてはいけません。

また、金銭債権の場合には未回収リスクがあることから、この点にも配慮がされており、貸付金債権等の評価にあたって債権の回収が不可能だと思われる場合には、その金額は元本の価額に含まないという取り扱いも認められています。

その他の事業用資産について

事業で使っていた屋号名義の預金も相続税の対象になります。

相続税評価方法は、事業用であっても個人用の現預金の評価と変わりません。

  • 亡くなった日における預入高+既経過利子の額A(解約利息で計算)-Aにつき源泉徴収されるべき所得税の額

ただし、定期預金や定期貯金以外の預貯金については、亡くなった日の既経過利子の額が少額なものに限り、同時期現在の預入高によって評価します。

事業用財産の確認方法や注意点

確定申告書添付の青色申告決算書・収支内訳書の「減価償却費の計算」欄に記載されている各資産を見て確認することができます。

家屋及び付属設備については、各資産が、家屋の固定資産税評価額に含まれているものかどうかを検討する必要があります。

家屋の増改築等を行ったものの、その増改築等の部分に応じた固定資産税評価額が付されていない場合に、単純に既存の固定資産税評価額のみで申告すると、増改築等部分の価額が申告漏れとなってしまいますので注意が必要です。

おわりに

いかがでしたか?

相続税というと私生活上の財産のみに目が行きやすいですが、事業用財産も相続税の対象になりますので適切に評価して計上しなければいけません。

相続人が被相続人の事業についてよく知らない場合もあると思います。

相続専門の税理士に相談して財産の抜けがないようにしましょう。

福岡相続ステーションでは1時間の初回無料相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事をシェアする

前の記事 相続相談コラム
のトップへ
次の記事
  • 平日夜間対応
  • 事前予約にて
    土日祝対応
  • テレビ会議対応

相続に関すること、お気軽に
ご相談ください。相談は無料です。