2020.06.19 / 座親

【相続人の範囲】法定相続人の調べ方

はじめに

被相続人の死亡により相続が発生し、それと同時に相続財産は相続人全員の共有財産となり、遺産分割をすることになります。

遺産分割の際には遺産分割協議書を作成しますが、そのためには相続人全員の署名捺印が必要であり、逆に相続人全員で行われなかった遺産分割は無効です。

つまり、相続手続きにおいて法定相続人の確定は非常に重要となります。また、相続税の基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算するため、相続税の計算においても法定相続人の確定は必要です。

法定相続人について

法定相続人とは、民法で定められた相続人のことで、大きく配偶者と血族相続人の2つに分けられ、さらに血族相続人については大きく3通りあり、下記の優先順位で相続権が回ってきます。

  1. 子及びその代襲者
  2. 直系尊属(親、祖父母等)
  3. 兄弟姉妹及びその代襲者

法定相続人の調べ方

法定相続人を調べるには、戸籍をさかのぼり、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍をすべて集め、その内容から判断します。

戸籍をさかのぼるとは、現在の戸籍が別の戸籍から、身分の変更・法令の改正・転籍等により「移記」・「転記」されて作成されているとき、1つずつ順番に前の戸籍を確認し、生まれた戸籍までの連続性を確認することを言います。

戸籍をさかのぼる上でチェックすべき点は大きく分けて3つあります。

ⅰ)戸籍事項欄のチェック

 下記の6つの事項をチェックする必要があります。

  1. 新戸籍の編製に関する事項
  2. 氏の変更に関する事項
  3. 転籍に関する事項
  4. 戸籍の全部の消除に関する事項
  5. 戸籍の全部に係る訂正に関する事項
  6. 戸籍の再製または改製に関する事項

以上6つの事項のうち、実際の戸籍調査で見かけることが多いのは「編製」、「転籍」、「改製」です。

編製

婚姻・養子縁組等の身分事項の変動により、新たに戸籍を作成することです。親の戸籍を単独で抜け出す「分籍」も含まれます。

転籍

本籍地の変更のことで、元の戸籍謄本の記載内容がほとんどそのまま新戸籍に引き継がれます。ただし、除籍者の事項と、離婚・離縁等が移記されない点には注意が必要です。

改製

法令により様式変更があった場合、従前様式を新様式に改め、新しい戸籍を作ることです。転籍と同じく、改製の時点で戸籍に在籍する者のみを新しく編製された戸籍に転記します。結婚・養子縁組・死亡等により除籍された者が除かれる点に注意であり、離婚・離縁等の身分事実も移記されません。

ⅱ)従前戸籍のチェック

 新規編製された戸籍に入っている人の身分事項欄を見ると、身分変動があれば「従前戸籍」という記載があり、それをさかのぼればその人の前の戸籍が判定できます。

ただし、改製原戸籍では単に「○○と婚姻届出東京都△△番地□□戸籍から入籍」の記載のみですので、身分事項欄の文章から従前戸籍を探す必要があります。

ⅲ)連続性のチェック

 被相続人の死亡が記載された戸籍の戸籍事項欄の編製日または改製日と、1つ前の戸籍の消除日または除籍日の日付を照合し、それを繰り返すことで、被相続人が出生した時点での戸籍まで収集できれば、戸籍の連続性がチェックできます。

まとめ

このように、法定相続人を調べるには、被相続人の死亡から出生の戸籍へさかのぼる必要があります。

誰が相続人となるかは家族同士で分かっていると思いがちですが、知らない養子がいたり、離婚した配偶者に子供がいたり、イレギュラーなケースも少なくありません。

特に、兄弟姉妹が相続人となる場合や、すでに死亡している相続人がいる場合などには、トラブルを未然に防ぐためにも、戸籍調査を専門家に依頼するのが得策と言えます。

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