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普及率1割未満!? 税務調査の省略を可能にする制度-書面添付制度について

先日私のFacebookに、税務調査の省略をゲットした旨の投稿をしました。これに対して多数の反響があったため、税務調査を省略にできる可能性のある書面添付制度について解説したいと思います。この制度は、全体の1割にも活用されていないためあまり知られていないのですが、大きなメリットののある制度ですので是非知っておきましょう。↓の画像は実際に調査が省略となった際の通知書です。個人情報につながるものについてはマスクをかけています。

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1. 書面添付制度とは?
2. 書面添付のメリット・デメリット
3. 書面添付やるべきかやらざるべきか
4. おわりに

1.書面添付制度とは?

書面添付制度とは、正式には「税理士法第33条の2に規定される書面を添付する制度」になります。簡単に言うと、税務調査で問題となりそうな内容を税理士が申告前にチェックし、その内容を記載した書面を添付できるという制度です。調査で聞かれそうなことを先回りしてこちらから示すことにより、申告書の信頼性を高め、税務調査の省略につなげようという制度になります。

税務署としては、実地調査を行わずに申告書の内容の一部を理解でき、税務行政の円滑化・簡素化ができるというメリットがあります。例えば、書面添付に税務署として気になることが丁寧に記載されていれば調査対象にそもそもならない可能性が高まります。もちろん、仮に書面添付があったとしても申告内容に疑問が生じることがあります。その場合には結局税務調査になるかというと、そうではありません。これが後ほど述べるメリットにつながります。書面添付をした場合には、原則として税務調査の前に税理士に対して申告内容に関する意見聴取をせねばならず、いきなり調査を行うことはできません。この意見聴取を行った際に、税務署側で生じた疑問が解決した場合には、調査が不要になりますので、調査が省略になることがあります。

2.書面添付のメリット・デメリット
メリット
① 税務調査が省略になる可能性がある。
上記の通り、書面添付を行っている場合には原則として、いきなり調査をすることができません。急に税務調査がないということは、心理的・時間的にも余裕がでますしこれだけでもメリットがあります。また、なにより大きなメリットとして、税理士への意見聴取で疑義が解消した場合には税務調査が省略となります。統計を見ると、半分強が調査省略となっているようです。時間的精神的にも負担の大きい調査を減らすことができるというのは大きなメリットだと思います。

② 加算税が免除になる
もう一つ、大きなメリットがあります。通常の調査で申告内容に誤りが見つかり、追加の税額が生じた場合には、加算税と呼ばれるペナルティが税額に加算されます。しかし、書面添付を実施し、意見聴取段階で見つかった誤りについては、加算税が課されないというメリットがあります。わざとやっているものは論外ですが、些細なミスから生じた追徴課税に対する加算税が免除されるのは大きなメリットです。

デメリット
① 作成に手間がかる
書面添付を行うには、企業のことをきちんと理解して書面を作成する必要があります。また、多角的に税務的な検証を行い、税務調査が必要ない申告書である旨を文章で表現する必要があります。そのため、時間・コストがかかり、作りたがらない(作れない)税理士が多数います。また、比較的新しい制度であるため、内容は知っているが添付書面を作ったことがないという税理士も多数います。

② 絶対に税務調査が省略されるわけではないということ
書面添付制度は、意見聴取を通じて調査省略に繋がる可能性があります。しかし、絶対に省略されるというわけではないため、結局調査が実施されるということも多数あります。そのため、頑張って書面添付を行っても無駄になってしまうこともあります。

3. 書面添付やるべきかやらざるべきか

ここからは私見になりますが、私は書面添付制度はドンドンやるべきと考えます。そしてその重要性はドンドン増すと考えています。日本の財政が年々厳しくなる中、税務署も限られた予算の中で運営を行う必要があります。
この制度を活用して真面目に申告をしているところについては税務調査を省略して、本当に調査が必要な法人や個人の申告に集中すべきです。

実際に国税局内の通達においても「税務執行の一層の円滑化・簡素化を図っていくためには、書面添付制度の一層の普及・定着を図る必要があることから、日本税理士会連合会(以下「日税連」という。) と協調して、その普及等に取り組むこととしている」と表明をしています。

また、何より、納税者にとってメリット(調査省略・加算税の免除)があるため税理士はこの制度をもっと活用していくべきだと思います。当社では顧問先様(申告のみのお客様を除く)については、原則書面添付を行うようにしておりますが、全国での普及率は平成25年度で約8.1%程度と1割にも満たない数字となっております。もちろん手間はかかるのですが、調査で聞かれそうな内容を先回りして考えて、自身の作成した申告書を批判的に検証することは税理士にとってもメリットがあります。

4. おわりに
当社では顧問先様の申告書については、書面添付制度を積極的に活用しております。ご興味のある方はお気軽にご相談下さい。

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